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2024.10.17
そうだ京都、行こう
秋晴れだ。よしっ、京都へ行こう。と、ふと思い立ち嵐山へ。
秋の京都です。そりゃどこもダダごみです。そんな中でも川もあり緑豊かで自然に囲まれた嵐山はゆっくりした時間が流れててちょっとした穴場な気がします。
抹茶ラテを手に、ぶらぶらと食べ歩きするのが楽しいですね。
実は私にはどうしても見たいものがありましてね。それは、文豪・川端康成が執筆のために宿泊された旧料理旅館『祐斎亭』
急遽内覧予約を入れて行ってきましたよ。
↑この写真はインスタなどでみなさんUPされているので有名なショットです。
↑↑↑川端康成がこよなく愛した部屋の窓から景色を眺める。ここからの景色が一番お気に入りだったそうです。
素敵な景色ですよね。こんな部屋で執筆したら、何だか自分でも筆が進みそうな気がする⤴
そしてこの部屋を外から見たらこんな感じ↓↓↓
軒が深く出ていて窓際は縁のようになっています。私が一番好きなやつです。
そう、私は生粋の軒フェチなんです。軒下でボーっと庭を眺めている時間がたまらなく好きなんです。特に雨降り時の軒下空間がたまりません。
この部屋から見る庭がこんな感じ↓↓↓
もう最高です。この苔見てください。美しすぎます。素敵過ぎて言葉を失います。
軒の話に戻しますね。
家の軒ってカッコいいだけではなくて、実は家の為にも非常に重要な役割を果たしています。想像してみたらわかりますが、雨降りの時に大きな傘をさしていれば服が濡れることはありませんよね。逆に傘をささなければ当然服はびしょ濡れです。
家も同じ。軒が無ければ雨降り時はいつも外壁がびしょ濡れになりますし、雨降りでなくても外壁に夜露が付着します。断続的に外壁が湿っている状態です。そこに紫外線がガンガン外壁に当たります。その繰り返しでカビが発生するのです。外壁が緑っぽく汚れてくる原因の最たるものがそのカビです。それだけ外壁の劣化速度が速くなるという事でもありますから、メンテナンスが速い周期で必要になってくるわけです。
だからこそ軒を大切に考えてもらいたい。軒をつくることで家の寿命を劇的に伸ばせるのです。
それだけではない。軒が深ければ夏の暑い日差しを遮ることが出来ます。加えて、庭に落葉樹を植えておけば夏は葉が生い茂り日差しを遮ります。冬は落葉することで日差しが家の中まで注ぎ込みます。(まさに5番目の写真です)
軒をうまくデザインに取り込むことで上品で美しい外観になると私は思っています。
理想としては、雨の日も窓を大解放しておける家がいいですね。
私は家を造る仕事ではありませんが、土地提供を通じて皆様の家づくりのお手伝いをしている立場です。永く安心して住んでいただける家を造っていただきたいなと切に願います。
最後、この言葉で締めくくらせて下さい。
『家のつくりようは夏をもって旨とすべし 冬はいかなる場所にも住まる』╸吉田兼好 「徒然草」より
「住まいの建築は、夏の住みやすさを優先して造るのがよい。冬は、住もうと思えばどこにでも住める」という意味です。現代では、家自体のスペック、冷暖房設備の機能が飛躍的に向上しているので、この格言は忘れられがちですが、私は家を長持ちさせるための素晴らしい教えだと思っています。
最近はデザイン重視で軒の出が無い家を多く見ます。トレンドと言ってしまえばそれまでですが、今一度、日本で古くから伝わる先人の知恵に着目してみてほしい。
やはり京都はいろいろと勉強になります。
次は紅葉真っ盛りに桂離宮でも行ってみようかな。